第90回「りんどう句会」報告

第90回「りんどう句会」報告

(2024年11月25日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)

第90回句会は、先月体験参加された保坂れいこさんが正式入会、会員数は20名に達しました。そのなかで今回は欠席投句2名を含む17名の投句(計51句)と欠席者による事後的な選句を含む18名の選句をいただきました。

当月の兼題は手島廉雲さん出題の「落葉」。晩秋から初冬にかけてしきりに落葉する、その降り積った落葉を踏んで歩く時の音や感触に冬の訪れを実感させる、まさにこの季節らしい季語です。今回もいろいろな視点や経験を踏まえた多くの佳句が寄せられました。また、下記の高得点句以外にも多くの佳句が出句されました。

なお、選句は読者(選者)各人の様々な人生経験や感性などからくる共感の拠り所の相違によって影響されます。したがって、高得点句は多くの人の共感を得たという点では相応に評価されて然るべきですが、ここに掲載していない句の中にも味わい深いポエムがたくさんあります。今回のそれらの句の中に、朝日新聞の俳句投句欄「朝日俳壇」の一席に選ばれた作品がありました。詳細は別報でご紹介します。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

【今月の高得点句(3点句以上、一部修正後)、氏名は俳号

(12点句) 胸のうち落葉と共に燃やしけり  大塚かずよ

(9点句)  隠れ()の虫もろともや落葉掻    浦野和子

(7点句)  の手(じじ)へ落葉のプレゼント   千葉ふみこ

       松茸を買ふに大義をさがしをり  浦野和子

(6点句)  落ち葉踏むわれ踏む音の他はなし 福田くにもと

       湯けむりの紅葉に触るる奥信濃  大塚かずよ 

(4点句)  朱を競ふ谷戸の小径の冬紅葉    北村拓水

(3点句)  歳時記に去年(こぞ)の染みあり冬に入る 千葉ふみこ

次回、第91回の句会は12月23日(月)13時から鎌倉芸術館会議室で開催します。兼題は福田くにもとさん出題の「皸(あかぎれ)」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。また、当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。

    (吉崎明光記)