第89回「りんどう句会」報告
(2024年10月21日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)
第89回句会は、先月体験参加された大塚かずよさんが正式入会、また、保坂れいこさんが体験参加され(投句、選句とも)、会場参加者は18名、欠席投句1名を含む19名の投句(計57句)、欠席者による事後的な選句を含む20名の選句と、賑やかな句会となりました。
当月の兼題は山田伸子さん出題の「秋の灯(ひ)」でした。灯火親しむ候、どこか思索的で澄明感の溢れる印象のある季語です。季語の本意を背景に踏まえた多くの佳句が寄せられました。また、以下の通り、当季雑詠にも多くの佳句が出句されました。
【今月の高得点句(3点句以上、一部修正後)、氏名は俳号】
(9点句) 寝転べば世界手に入る秋の空 浦野和子
(8点句) 秋時雨父母に詫びせむ墓仕舞 小林としを
(7点句) 小鳥来る初語書き留める母子手帳 渡辺伊世子
秋灯や夫の最後の置手紙 田村昌恵
(6点句) 貼り足しの切手に選ぶ秋の色 石川一洋
(5点句) 団栗手にえくぼの深き幼かな 大塚かずよ
秋澄むや無罪の一報駈けめぐり 石川一洋
(4点句) 秋灯下好きな作家の時代劇 北村拓水
(3点句) 青蜜柑昔の人の香に似るや 保坂れいこ
登校の子らと挨拶小鳥来る 田村昌恵
月白や影濃き浅間闇に浮く 福田くにもと
次回、第90回の句会は11月25日(月)13時から鎌倉芸術館会議室で開催します。兼題は手島廉雲さん出題の「落葉」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。また、当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。
(吉崎明光記)