第65回「りんどう句会」報告

第65回「りんどう句会」報告

(2022年10月31日(月)鎌倉芸術館にて開催)

第65回句会より新しく石川洋一(俳号一洋)さんを迎え、会員は13名となりました。今回は全会員の出席で一人3句ずつ全39句の出句でした。当月の兼題は手島廉雲さん出題の秋の季語「月」です。

今回の最高点も前回と同じ北村拓水さんの句で、「秋の雲鰯へ鯖へ鱗へと」で

10点を獲得しました。中七、下五が鰯へ鯖へ鱗へと」と鰯雲、鯖雲、鱗雲と魚関連の語を使って変って行く雲の様子を見事にあらわし、大変リズミカルであり、面白いという選評を多く得ました。

6点句は鈴木金平さんの作で、作者自身が台所に立って南瓜を料理した時の句だそうです。包丁で南瓜を切る苦労が「南瓜めが」にあらわれていて、経験者ならすぐ納得するユーモラスな句でした。また、「包丁銜(くわ)へ離さざる」という擬人法が効果的に使われているということでした。

次回は11月28日、兼題は福田くにもとさん出題の「初雪」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。

 当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務所あてメールでお問い合わせください。

【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号

(10 点句) 秋の雲鰯へ鯖へ鱗へと         北村拓水

6点句)  南瓜めが包丁銜へ離さざる       鈴木金平

(4点句)  月浴びて踊り尽くさむ彼の世まで    鈴木金平

       月と犬連れて月夜の散歩かな     浜崎かづき

       風読みて故郷へ発つや鷹柱      千葉ふみこ

       秋ともし骨董の椅子軋みけり      山田伸子

(3点句)  団栗を拾ふ母子の相似形        吉崎明光

       秋日受く置かれしままの観光誌    福田くにもと

       漱石の直球の句や明日子規忌     千葉ふみこ

       

                                   (山田伸子記)