第93回「りんどう句会」報告

第93回「りんどう句会」報告

(2025年2月17日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)

第93回句会は、3名の欠席投句を含む18名の投句(計54句)と、欠席者による事後的な選句を含む19名の選句をいただきました。  

当月の兼題は安藤宗幸さん出題の「東風(こち)」です。東風は春になって太平洋から大陸の方へと吹き始める東風です。菅原道真が大宰府で詠んだ和歌に「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」があります。

今回も兼題以外にも多くの佳句が寄せられました。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

【今月の高得点句(一部修正) 氏名は俳号

(9点句)  路地抜けて東風T字路を左折せり      千葉ふみこ

    ネガに透く家族のかたち春炬燵       渡辺伊世子

(8点句)  鳥雲に故郷捨てて墓終ひ          北村拓水

(7点句)  残る日の光を惜しむ梅の里         吉崎明光

(6点句  梅東風や強面狛を撫でゆけり        浦野和子

日脚伸ぶ新譜に挑む聖歌隊         前川たく

(5点句)  絵馬の字はキリル文字らし東風強し     吉崎明光

(4点句)  住職の声に力や余寒の経          山田伸子

春泥の東寺の市や茶碗買ふ         大塚かずよ

(3点句)  モビールの仔馬に羽や風光る        渡辺伊世子

       舞殿の東風やはらかや巫女の舞       田村昌恵

       強東風の絵馬裏返し吹きゆけり       浜崎かづき 

       (じじ)(ばば)に若きの混り春足湯          千葉ふみこ

        

次回は3月31日、兼題は林雅之さん出題の「花冷え」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。また、当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。

                           (山田伸子記)