第82回「りんどう俳句会」報告

第82回「りんどう句会」報告
(2024年3月25日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)
第82回句会は14名の出席、2名の欠席投句、1名の見学参加で全48句の出句、15名による選句でした。当月の兼題は浜崎かづきさん出題の春の季語「風車」です。また、今回から松本賢悟さんが新しく会員となられました。

今月の最高点は、石川一洋さんの「風さそひ風にさそはれ風車」で、7点を獲得しまし
た。リズム感があり、それが句の流れを作っていて、風車の回る情景をうまくとらえているという選評が語られました。作者によると、この句は突然ふっとできたとのことでした。

 次は手島廉雲さんの6点句「初音聞く逝きし友かと空仰ぐ」でした。選者の方々は亡くなった友達のことが偲ばれジンとくる、共感を覚えたという選評を語りました。また、この句により、りんどう句会に居られ、鳥を愛し鳥に詳しかった故上野なをひろさんが思い出されるという会員が多かったようです。

 次の5点句は、田村昌恵さんの「ママを待つ」、鈴木金平さんの「何事も」、吉崎明光さんの「卒業歌」、および田村さんの「流鏑馬」の句の4句でした。
 
次回は4月29日、兼題は高吉よしえさん出題の「囀(さえずり)」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。また、当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。

【今月の高得点句(同点句は兼題優先)氏名は俳号 (一部修正)】
(7点句)   風さそひ風にさそはれ風車     石川一洋
(6点句)    初音聞く逝きし友かと空仰ぐ    手島廉雲
(5点句)   ママを待つ子らの手に手に風車   田村昌恵
        何事も成せぬ身なれど春さかる   鈴木金平
        卒業歌女子高生の駅ピアノ     吉崎明光
        流鏑馬や射手も戸惑ふ春疾風    田村昌恵
(4点句)   託児所の空き瓶に挿す風車     福田くにもと 
        ペダル踏む先を風切る風車     山田伸子
          まんさくのざんばら髪に風の櫛   浦野和子
          恐山水子の数の風車        手島廉雲
(3点句)   小さき掌に嵐呼ぶかや風車     鈴木金平
         風車売風引き連れて来たりけり   浜崎かづき
         点滴の針もついでに針供養     浜崎かづき
         引鶴の集ひ旅立つ時計り      千葉ふみこ
                             (山田伸子記)