第80回「りんどう句会」報告
(2024年1月29日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)
第80回句会は11名の出席、3人の欠席投句、2人の見学参加者で全48句の出句でした。当月の兼題は安藤宗幸さん出題の新年の季語「賀状」です。
今回は浦野和子さん、渡辺伊世子さんの2名の方が見学参加で投句および選句をされ
また、多くの合評が飛び交い、賑やかな句会となりました。
最高点は、田村昌恵さんの「あの世へのポストが欲しい年賀状」で、8点を獲得しまし
た。亡くなった方ともう一度話がしたいという思いがやさしい言葉で端的にあらわされているというコメントが語られ、多くの方の共感を呼んだようです。
次は6点を獲得した浜崎かづきさんの「ご厚誼を謝して最後の賀状とす」です。これは年賀状を今年で最後としたいという年配の方からの挨拶の句で、同様の趣旨のものが何句もありましたが、この句に点が集中したようです。言葉の流れが良く、句としてきれいであるという選評が語られました。
5点句は、渡辺伊世子さんの2句、「風花や京の詠歌の尻上り」と「磐座の注連の鮮(あたら)し初明り」、および田村昌恵さんの句「初場所や地震(なゐ)鎮めむと四股を踏む」でした。
次回は2月26日、兼題は吉崎明光さん出題の「入学試験」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。
【今月の高得点句(同点句は兼題優先)氏名は俳号 (一部修正)】
(4点句) 添書に笑みこぼるるや年賀状 手島廉雲
詠を添へ水茎美しき賀状かな 渡辺伊世子
同年の八代亜紀逝き冬薔薇 石川一洋
(山田伸子記)