第78回「りんどう句会」報告
(2023年11月27日(月)鎌倉芸術館会議室にて開催)
第78回句会は11名の出席、1名欠席投句で、3句ずつ全36句の出句、12名の選句でした。当月の兼題は石川一洋さん出題の冬の季語「白菜」です。今回は、日常見慣れたこの兼題に「意外と難しい」と苦戦した方が多かったようです。最高点9点を獲得したのは、前川たくさんの句「鴛鴦(おしどり)の波紋に揺るる逆さ富士」でした。水面の鴛鴦が作った波紋に逆さ富士が揺れているという美しい情景が17音に見事に表現されていて映像が目に浮かぶようだという選評を多く得ました。
次の7点句は田村昌恵さんの句「山積みの白菜眩し道の駅」で稲門会のバス旅行の体験からできた一句だそうです。きれいにまとまっている句で、特に「山積み」「眩し」のことばが良い、情景を生き生きと表現しているとの選評がありました。
5点句もまた田村昌恵さんの句で、「玄関に門番のごと枯蟷螂」です。「枯蟷螂」はみずみずしさを失い、色褪せた冬のかまきりのことで、玄関にいる様子を「門番のごと」という表現でまとめているのが面白いという選評がありました。
次回は12月25日、兼題は手島廉雲さん出題の「師走」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(4点句) 落葉には紛れず孤高朴落葉 石川一洋
(3点句) 一葉忌恋に明治は遠からず 吉崎明光
(山田伸子記)