第66回「りんどう句会」報告
(2022年11月28日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第66回句会は11名の出席、2名のメールによる欠席投句で一人3句ずつ全39句の出句でした。当月の兼題は福田くにもとさん出題の冬の季語「初雪」です。
今回の最高点は、前川たくさんの「露座佛」の句で、9点を獲得しました。露座仏は長
谷の大仏ではないか、いや小さくてひっそりと座っている仏様も知っているなどと、読む人の描くそれぞれの風景が語られ、また、「露座」という表現が良い、雪の日の静かな雰囲気が伝わってくるなどという選評もありました。
次の7点句は鈴木金平さんの作で、「ぬくめ酒」の句です。ご夫婦で温め酒を飲む情景が浮かんでくるようです。二人で二合、一合ずつかな?と思いますが、作者のお話では、ご主人が半合で奥様が一合半だということでした。
また、福田くにもとさんの「蜂蜜」の句には、蜂蜜は立冬の頃から固まりやすくなるので、立冬をあらわすこの句の季語「今朝の冬」がよく効いている、生活実感がうまく出ているとの選評が語られました。
次回は12月26日、兼題は吉崎明光さん出題の「霜夜」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(9点句) 初雪の白衣をまとふ露座佛 前川たく
(5点句) 初雪の夜汽車の窓に我一人 石川一洋
(3点句) 初雪やまだらに濡れしアスファルト 浜崎かづき
冬夕焼犬の姿のはぐれ雲 田村昌恵
傷つけて生きて来たるや冬銀河 石川一洋
(山田伸子記)