第64回「りんどう句会」報告
(2022年9月26日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第64回句会は、12名の会員から3句ずつ、全36句の出句で、その内2名はメール投句でした。当月の兼題は山田伸子出題の秋の季語「秋風」です。
今年は9月に入っても残暑がいつまでも続き、また台風の影響もあり、爽やかな「秋風」はあまり経験できなかったようですが、投句には爽やかな風、寂しい風、もの悲しい風など、季語の持つ幅広い「風」の味わいが反映され、おしゃれな句もありました。
今回の最高点は北村拓水さんの「物言へば妻との隙間秋の風」で7点でした。
どこかで聞いたようではありますが、五七五の中七「妻との隙間」に共感したという男性陣の感想が圧倒的でした。けれど、女性からも2名の方から点が入っていて、妻の側からも「隙間」への共感が寄せられたものと思われます。
6点句は2句とも藪野詠子さんの作で、それぞれ「つと秋風とすれ違ひ」、「すとんと秋となりにけり」の副詞が効果的で良かったという選評が語られました。
次回は10月31日、兼題は手島廉雲さん出題の「月」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務所あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(5点句) 秋風やレモングラスの紅茶の香 明光
部屋部屋の建具戻りて秋の風 ふみこ
傘すぼめ行き交ふ道や萩の花 よしえ
(4点句) 巨峰摘む小顔のデニムキャスケット 明光
(3点句) 閉店の貼り紙ゆらす秋の風 よしえ
誰が植ゑし交番前の白式部 ふみこ
(山田伸子 記)
稲門会HP第64回りんどう句会 .pdf ←句会風景 クリックしてください。