「第25回りんどう句会」報告

第25回「りんどう句会」報告(2019年6月24日(月)開催)

20176月に発足後、当会は2周年を迎え、今回で第25回目の句会となりました。

6月の兼題は明光出題の「夏至」。太陽が一年中で最も高く昇る日。昼の長さが眼目です。いわば一年の折り返し点でもあり、その日を境に、太陽は少しずつ衰えはじめます。ヨーロッパでは夏至の祭りが各地で盛んに行われているようですが、日本では梅雨の時期でもあり、「太陽が一年中で最も高く昇る日」といっても生活感覚としてあまり意識されていない感もあります。「夏至」という季語はその意味で「雨を含む」ので「雨の夏至」という表現は如何か、という意見もありましたが、「梅雨晴間」の日もあり、雨の夏至の日を強調するという意味で、深くこだわる必要もないのではと思います。二音でもあり、五七五にどのように盛り込むのか、結構難しい兼題だったかもしれません。

今回は14名の出席、出句数は、参加者14名×3句の合計42句が寄せられました。句会終了後は、大船駅前のホテルのレストランで2周年記念の懇親会兼暑気払いを楽しみました。

下記に高得点句を紹介します(3点以上、一部添削後。氏名は俳号)。

 次回は7月29日(月)の開催(13時~16時、鎌倉稲門会玉縄事務所)。兼題は上野なをひろさん出題の「蝉」または「蜻蛉」(秋の季語ではありますが、次回開催日は立秋の1週間前の時期なのでよろしいと思います)のどちらか1句を選び、その兼題1句と当季雑詠2句の合計3句を出句。

        9点:イザヤ書を読み返したり雨の夏至   前川たく

   5点:つはものの攻め入りし浜卯波寄す   前川たく  

     5点:逝く人の頬撫づる妻梅雨最中     高吉よしえ

     4点:大宰府に万葉の風令和夏       田村昌恵     

     4点:夏帽子古城の街の石畳        山田伸子

     4点:小屋懸けのほぼ整ひて夏至の浜    高吉よしえ

     4点:半年をボーっと生きて夏至の夕    吉崎明光

     4点:モノレール走る里山落し文      千葉ふみこ

     4点:源平が覇権競はぬ蛍かな       鈴木金平

     3点:万緑に抱かれ地蔵わらべ顔      千葉ふみこ

     3点:紫陽花のブルーに染まる石畳     北村拓水

     3点:故郷は(やま)(もも)の実の熟るる頃      北村拓水

     3点:新種より昔ながらの四葩愛で     高吉よしえ

   (注:四葩(よひら):紫陽花の傍題)

      

                             (吉崎明光記)