<第20回「りんどう句会」報告(2019年1月28日(月)開催)>
石川啄木に<いつしかに、正月も過ぎて/わが生活(くらし)が/またもとの道にはまり来たれり>という歌がありますが、1月最後の週、新年の季語「初富士」を兼題として、しばし正月気分に戻り、参加者14名が今年の「初句会」(これも新年の季語)を楽しみました。今回は、入会して日の浅い会員が次々と高得点を得て、皆さん、急速に実力をつけてきていることがうかがえました。句会終了後は大船駅前の居酒屋で、全員参加の新年会で盛り上がりました。
次回は2月25日(月)開催予定(13時~16時、鎌倉稲門会玉縄事務所)。俳句の世界では立春を過ぎると春の季語で詠みます。兼題は「雪解水(ゆきげみず)、雪解(ゆきどけ)及びその傍題でも可)」。投句は兼題1句と当季雑詠2句の合計3句。(注:啄木の歌は三行書ですが、便宜上/で表しました。句読点もそのまま。)
以下、当月の高得点句(3点以上、一部添削後。氏名は俳号)。
11点:島影の切り絵に見えて冬茜 北村拓水
6点:肩寄するわらべ地蔵や梅早し 吉崎明光
5点:フィニッシュはスカートで取り手毬の子 浜崎かづき
4点:初富士やただそこにあるありがたさ 山田伸子
4点:冬日和こくり舟漕ぐ妻がゐて 鈴木金平
4点:湯豆腐や白さ浮き立つ妻の肌 北村拓水
4点:亡き友の屋根より冴ゆる寒の月 藪野詠子
4点:母の歳越えて寒夜のひとり酒 田村昌恵
3点:テープ切り両の拳を初富士へ 吉崎明光
3点:初富士のことに大きく見えにけり 浜崎かづき
3点:初参り祈ぎ事ひとつ加えけり 山田伸子
(吉崎明光記)