第76回「りんどう句会」報告
(2023年9月25日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第76回句会は12名の出席、2人欠席投句、全42句の出句でした。当月の兼題は山田伸子出題の秋の季語「夜長」です。
今年は9月になっても夏のように暑い日が多かったのですが、りんどう句会にはしっとりとした秋の句が多く投稿されました。今回の最高点は、吉崎明光さんの句「病む妻にプリンひと匙長き夜」で、12点を獲得しました。
次は、田村昌恵さんの「寝そびれて母の歌集を繰る夜長」および石川一洋さんの「行かぬまま老いてしまへり風の盆」の2句でそれぞれ6点を集めました。
また、「ひとときをこぼるる萩のそばにゐて」は吉崎明光さんの句で5点でした。
次回は10月30日、兼題は福田くにもとさん出題の「薄紅葉」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問合わせください。
【今月の高得点句(同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(12点句) 病む妻にプリンひと匙長き夜 吉崎明光
(6点句) 寝そびれて母の歌集を繰る夜長 田村昌恵
行かぬまま老いてしまへり風の盆 石川一洋
(5点句) ひとときをこぼるる萩のそばにゐて 吉崎明光
(4点句) 妻の居て夜長の会話弾まざる 北村拓水
(3点句) 潮風に秋の混りて入日燃ゆ 千葉ふみこ
金継ぎの花瓶に二輪桔梗挿す 福田くにもと
新涼や故郷にはまだ古き恋 鈴木金平
枝豆か議論かどちらかにしろよ 吉崎明光
窓開けて湯殿に響く虫の声 北村拓水
きょうだい児てふ言葉知る秋重し 千葉ふみこ
(きょうだい児とは兄弟姉妹に障害児を持つ子供)
ミニバスは年寄ばかり秋夕焼 田村昌恵
(山田伸子記)