第75回「りんどう句会」報告
(2023年8月28日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第75回句会は14名の出席、一人欠席投句で、一人3句ずつ全45句の出句でした。当月の兼題は北村拓水さん出題の秋の季語「盂蘭盆会」です。
今回の最高点は、鈴木金平さんの句「鰯雲詫びて逝きたき人多し」で、10点を獲得
しました。この句は自分の思っていることをそのままうまく詠っていて、身につまされることが多いと選者は口々に述べていました。そして、季語の「鰯雲」が秋の寂しさを表し、句を引き立てていると絶賛されました。
次の7点句は、北村拓水さんの「暮れなづむ帰路の背を押す法師蝉」で、夕暮れの法師蝉が「いいよ、いいよ」と背を押しているようだという選評がありましたが、作者は「人生の終わりに向かっている自分に対して、同じように生命の終わりを目前にした法師蝉に背を押されているように感じられる」ということでした。
また、6点を獲得した田村昌恵さんの「迎へ盆」の句は先祖を迎える盆の入りの良い情景が詠まれている、「家中の明かり」という表現が良いなどの選評がありました。 次回は9月25日、兼題は< /a>山田伸子出題の「夜長」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(4点句) 盂蘭盆会幼き霊に花を買ふ 藪野詠子
黒髪の球児躍動風さやか 吉崎明光
人恋ふや歌人の庭の女郎花 田村昌恵
雨後の朝羽化せし蝶の深呼吸 田村昌恵
(山田伸子記)