第68回「りんどう句会」報告
(2023年1月30日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第68回句会は久々に13名の全会員出席で一人3句ずつ全39句の出句でした。また、今回は安藤宗幸さんの見学参加があり、選句に参加していただきました。当月の兼題は高吉よしえさん出題の冬の季語「日脚伸ぶ」です。
今回の最高点は、田村昌恵さんの句「初釜や母の晴れ着に祖母の帯」で8点を獲得しました。季語の「初釜」をはじめ「母の晴れ着」「祖母の帯」が、いかにもお正月らしさを感じさせる句だという選評を多く集めました。
山田伸子の7点句「年賀状去年の問ひの答へ来ぬ」は毎年の年賀状のやり取りによくある風景をうまく句にしているという選評を得ました。
今回は兼題の句の他に、「初釜」「年賀状」「七草」「賀状」「初景色」など新年の季語(傍題)による句が多く寄せられ、1月にふさわしい句会でした。
また、最近の句会の新しい傾向として、4点句の「五十
年ぶり」の句や3点句の「恋猫」の句のように、背後に気になるドラマが感じられる句が選評会を賑わしています。
次回は2月27日、兼題は田村昌恵さん出題の「春光」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(4点句) 日脚伸ぶまだボール蹴る子等の声 高吉よしえ
片肌を脱いで杜氏の寒造 浜崎かづき
五十年ぶり旧姓の賀状来る 吉崎明光
故郷の汁(つゆ)味の濃き晦蕎麦 福田くにもと
モノクロの旅路に冬の瀑布かな 山田伸子
托鉢の僧の低唱冬日影 田村昌恵 p>
(山田伸子記)