<第21回「りんどう句会」報告(2019年2月25日(月)開催)>
今月の兼題は福田くにもとさん出題の「雪解水(ゆきげみず)」。「雪解(ゆきどけ、ゆきげ)」、「雪解川(ゆきげがわ)」、「雪解風(ゆきげかぜ)」などでも可。鎌倉に住んでいると、なかなかその光景が実感できないかもしれませんが、日本語の美しさを感じる言葉ですね。「雪国や山岳地の積雪が解け始め、川が増水して轟々と響き流れることもある」と角川の俳句歳時記には説明があります。<雪とけて村一ぱいの子どもかな>(小林一茶)、<雪解川名山けづる響かな>(前田普羅)などの名句があります。
さて今月の参加者は、見学者1名を加えて14名。いつものことながら、選句された句に対する合評の場では笑い声が絶えず、見学の方も句会の雰囲気の良さに驚かれていました。
次回は3月25日(月)開催予定(13時~16時、鎌倉稲門会玉縄事務所)。兼題は北村拓水さん出題の「蕗の薹」。投句は兼題1句と当季雑詠2句の合計3句です。以下、当月の高得点句(3点以上、一部添削後。氏名は俳号)。
10点:ものの芽の命見極め鍬振るふ 吉崎明光
8点:大平原くの字くの字の雪解川 前川たく
7点:梅一輪打ちたて蕎麦に添へて出し 上野なをひろ
6点:啓蟄や氏神起こす地鎮祭 鈴木金平
4点:妻が居て何事も無き春炬燵 北村拓水
3点:雪解や妻の機嫌はなほらぬに 鈴木金平
3点:丹頂の足元濡らす雪解水 上野なをひろ
3点:耳遠き夫との日々や春炬燵 高吉よしえ
3点:畔火立つ火色の先に浅間山 福田くにもと
3点:兎小屋の藁敷き替へて卒業す 浜崎かづき
(吉崎明光記)